シンガポールで現地採用|人材会社で働く荒井さんにインタビュー
現地採用で働く人のなかには、転職の際に仕事と一緒に国まで変える人が増えています。特にシンガポールは東南アジアのハブ。タイやマレーシアなど周辺国から転職してくる日本人は多くいます。
今回ご紹介する荒井さんも、そんなアジアを股にかけて活躍する一人です。24歳という若さで海外を目指し、中国~シンガポールで計5年間働きました。
彼女の人生にとって、シンガポールで働いた経験には一体どんな意味があったのでしょうか。インタビュー形式で紐解いていきましょう。
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自分の幅を広げて、海外で何かを見つけたい
(インタビュアー)早速ですが、荒井さんはなぜシンガポールで働くことにしたのですか?
(荒井さん)実はシンガポールに来る前、半年間だけ上海で働いていたんです。大学で中国語を勉強していて、学生時代に留学もしました。
卒業後はアパレル商社に勤めていたんですけど、いつかは中国で働きたいと思っていました。そしたらちょうど上海万博のアテンドの募集があったんです。応募したら無事に受かって、そのまま上海へ。
万博の仕事でいろんな国の人と接するうちに「英語力も伸ばしたいし」「もっと多国籍な環境で働きたい」と思うようになりました。このまま中国でずっと働くのは少し違うかな、と思ったんです。
(インタビュアー)そのとき日本に帰ることは考えなかったんですか?
(荒井さん)当時は日本に帰るイメージはなかったですね。もともと20代は海外で働きたいと思っていて。若い時しかなかなかチャレンジってできないじゃないですか。
それに「日本でこれがしたい」という思いがあんまりなかった。もっと幅を広げて、海外で何かを見つけようと思っていました。
(インタビュアー)なるほど。それで、次のチャレンジの舞台がシンガポールだったんですね。
(荒井さん)はい。中国語も好きだけど英語も伸ばしたかったので、香港かシンガポールで迷いました。
いろんな会社を見ていたんですが、実際シンガポールに行ったら、すごく住みやすそうだなって思って。最終的にはシンガポールで、日本人向けの中国語学校の受付の仕事に就きました。
(インタビュアー)シンガポールで初めての仕事はどうでした?
(荒井さん)仕事は楽しかったです。中国語と日本語が使える環境は働きやすかったですね。ただ残念だったのは、英語を話す機会が少なかったこと。それから受付の仕事も、私にとっては少し物足りなかったのかもしれません。
もっと生徒さんを増やすためにSNSを使って発信したり、自分なりにやれることはいろいろやってみました。でもできることは限られていて……。
それで「もう少し主体的に動ける職種に転職したい」と考えるようになりました。そのときも日本に戻ろうとは思いませんでした。英語力も高め切れていないし、シンガポールをもっと知りたかった。
初めての商談で「ど素人だよね?」と言われた
(インタビュアー)転職活動はどのようにしたんですか?
(荒井さん)実は転職活動らしいことはしてないんです。もともと人材紹介会社で働いている知り合いがいたんです。それでたまたま食事する機会があって、転職の相談をしたら親身に話を聞いてくれて。
「もっとローカル(シンガポール人)と関わりながら、人に影響を与えられる仕事に就きたい」と相談したんです。そしたら「うちの会社で営業募集してるけど、興味ある?」と誘われたんです。
(インタビュアー)え?いきなり人材業界に?それって業界も職種も変えることになるし、大変じゃなかったですか?
(荒井さん)はい、最初は大変でした(笑)。新卒のときに法人営業の仕事をしたことはあるんですけど、ルート営業で、決まったお客さんに決まったことを言うだけで良かった。
でも今回は新規開拓営業なので、テレアポも商談もやって、初めての人に自分を売り込まなければ行かなかった。しかも英語で。
しかも、初めて一人で行った商談の相手がめっちゃ怖い人でした。「君、営業のど素人だよね?」って言われて、その場で説教されました(笑)。
「そうなんです!いろいろ教えてください!」と、とにかく低姿勢でいきました。その経験が良かったのかなって今は思います。
(インタビュアー)しびれる経験ですね(笑)。私も新規開拓営業ばっかりやっているので、容易に想像できます。
(荒井さん)でも、私は海外で新規開拓営業するのが楽しかったんです。テレアポも、日本より全然やりやすいと思います。
シンガポールの人事の人って、テレアポしても意外に楽しくお喋りしてくれたりするんです。こちらの下手な英語も辛抱強く聞いてくれますし。そこで営業として2年半働きました。
「君、営業のど素人だよね?」って言われて、その場で説教されました(笑)
海外で働いたからこそ日本を客観的に見られるように
(インタビュアー)充実していた日々のように聞こえますが、なぜ日本に帰ることに?
(荒井さん)24歳から海外で働いているんですけど、当時29歳になって、日本での経験がないのはどうなのかな、って思うようになったんです。日系企業の人と話していると、日本語のビジネスマナーとか慣習とかやっぱり大事だなって。
仕事も面白かったので、日本で人材業界のこともちゃんと学びたいと思うようになりました。上司に相談するとすぐに本社のポジションを紹介してくれて、シンガポールから日本へ異動?になるんですかね。
2014年の10月に帰国して、今は引き続き人材の仕事をしています。海外の経験があってから日本で働くと、新鮮な発見があっておもしろいですよ。
(インタビュアー)何が一番違うと感じますか?
(荒井さん)働き方に対する考え方ですかね。日本人って仕事に対する責任感が強いと思います。それから会社に対する帰属意識、貢献しようっていうのが強い。でもシンガポールは1年で転職する人も多いし、とてもドライ。
あとはこだわるところも違います。日本人ってやっぱりソフトな面を重視しますよね。働いている仲間が良いとか、組織風土が合うとか。
シンガポールは逆に給与とかキャリアパスとか、ハード面を重視する。そういった違いがおもしろいなと感じます。
(インタビュアー)その経験は今の仕事に活きていますか?
(荒井さん)はい、すごく活きていると思います。海外で働いてみて「働くこととは」を考えさせられました。
シンガポールにいるときは「なんでこんなにみんな転職するの?」と不思議でしたが、日本にいると「逆に日本人はなんで同じ会社にずっといるの?」って思うことがあります。
シンガポール人、日本人ともに、働き方やキャリアの作り方は人それぞれなんだなと学ばせてもらいました。
(インタビュアー)荒井さんのお話を聞いていると、本当にキャリアカウンセリングに対して真摯な姿勢を感じます。
(荒井さん)まぁ人材業界って大変ですけどね(笑)。
でも今年は新規事業の立ち上げメンバーに加えてもらって、もっと頑張りたいなって思っています。しっかり結果を出して、いつかまた海外に戻って支店の立ち上げとかに携われたら良いなと思います。
私、同じ場所に3~4年いるよりも、常に新しい環境へ行きたいタイプなんです。不安よりもおもしろそうという好奇心が勝っちゃう。
シンガポール支社とは今でもつながっているので、そのネットワークをいつか活かしたいなと思っています。シンガポール支社のみんながいるから頑張れているところもあります。
シンガポールは自分の生き方を決めてくれた国
(インタビュアー)素敵なお話ですね。最後に、シンガポールで働いたことは、荒井さんにとってどのような意味があったと思いますか?
(荒井さん)私にとってのシンガポールは「今後の生きていく指針」を示してくれた国です。キャリアコンサルティングという仕事に出会えた国。
自分探しの結果、人材業界に引っ張ってくれた元上司に出会って、キャリアコンサルティングの仕事に出会って「これだ!」って感じたんです。この出会いは、本当にラッキーでした。
(インタビュアー)荒井さんの行動力とポジティブなお人柄が、その運をたぐり寄せたんですね。それでは最後に、今後シンガポール就職を考えている方にメッセージをお願いします!
(荒井さん)現地採用という立場で就職を考えている方は、ぜひ帰国後のキャリアも少しだけ想像してみてください。キャリアの相談に乗っていると、海外へ行くこと自体が目的になっていて、その後のことを考えていない人が多いです。
もちろんそれでも良いんですが、行った後に「で、どうしよう?」となるのはもったいないと思います。日本では「海外就職=遊び期間」と思われてしまう面も残念ながらまだあります。
実際に行ってから、目的が変わるのは全然構わないんです。ただ、行くことがゴールになるのはちょっと違うんじゃないかなと思います。
(インタビュアー)ご自身がいろいろと体験されているからこそ重みがある言葉ですね。荒井さん、貴重なお話をありがとうございました!
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海外への転職はさまざまな出会いや経験ができ、荒井さんのように人生を変えてしまうきっかけになる方は多くいます。シンガポールへの転職・現地採用に興味がある場合は、現地に精通した人材紹介会社の利用がおすすめです。
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ライター紹介
Rie Oshima / Writer
新卒で経営コンサルティング会社へ入社。その後、自身も現地採用としてシンガポールで就職し、採用業務に携わる。日本人の海外就職斡旋や、外国人材の日本就職支援に携わったのち独立。現在は、フリーランスとして採用支援やライターとして活動中。