駐在と現地採用の違いは?両方経験したSさんにインタビュー
今回は、日系人材会社のリージョナルHQ(エリア統括)で現地採用として働く、40代のSさんにインタビューしました。
Sさんは日系メーカーの駐在員として、シンガポールで5年働いた経験があります。またマレーシアの外資系企業で、ディレクターとしてマネージメントも経験しました。
マレーシアやシンガポールでのマネージメント、駐在と現地採用の働き方の違いについて体験談を伺いました。
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(Sさんの経歴)
オーストラリア:ワーキングホリデー……1年
日本:日系メーカー勤務……4年
シンガポール:同社駐在……5年(東京に帰任するが東南アジアに戻るため退社)
マレーシア:シンガポール企業の駐在……1年
マレーシア:現地の米系人材会社……5年
シンガポール:現地の日系人材会社(現職)
シンガポールへの転職の理由と現在の仕事について

インタビュアー:まずは、シンガポールに来たきっかけと現在の仕事内容について教えてください。
Sさん:前職ではマレーシアの米系人材会社に勤めていましたが、日系人材会社からのオファーがあり、シンガポール勤務を勧められました。
転職のきっかけは、マレーシアの米系人材会社での経験を今の会社で活かせると思ったからです。また、日本人として日系企業独特の文化、例えば暗黙の了解や時間の正確さなどを忘れないようにするため、日系企業への転職に魅力を感じました。
現職はリージョナルHQとして関連会社の経営分析をし、関連会社と一緒に改善の提案を実行して、より良い会社にしていくことがミッションです。
経営におけるマネージメントでは、意見や経営方法の違いにより対立することはあります。ですが、相手をきちんとリスペクトしながらこちらの主張を伝えることで、その距離が少しずつ縮まったときにやりがいを感じます。
働く場としての東南アジアの魅力

インタビュアー:日本で勤めていた会社を辞めてまで東南アジアに戻られたとのことですが、Sさんにとって東南アジアで働く魅力は何ですか?
Sさん:東南アジアで働く魅力は、経済や文化の成長を身近に感じられることと、親日国が多く日本人が働きやすい環境にあります。
また、シンガポールは多民族国家のため、公用語が英語とはいっても民族によって発音やイントネーションが違います。そのため、アメリカやイギリス、オーストラリアと比べて英語のレベルに寛大であり、ネイティブではない日本人にもキャリアのチャンスがあることが魅力です。
マレーシア・シンガポールで苦労したこと、日本との違い

マレーシアの米系人材会社では、日系企業や日本の常識である「沈黙は金」ではなく「沈黙は負け」を意味します。それを理解するまで時間がかかりました。
自分で思ったことは、我慢するのではなくきちんと主張する。オフィスで口論になることもありますが、常に建前をもたず本音を言う。そしてオフィスを出ると何もなかったかのようにフレンドリーになるので、オンとオフの切り替えが必要でした。
また、マネージメントにおいては、ローカルスタッフは人前で怒られ面子を失うことを嫌うため、指導や指摘をする場合は別室で伝えることを心がけています。
関係を作るために、意識的に距離を縮めようとすると相手もそれを感じてしまうし、無理に下手(したて)に出ると、それが当たり前になってしまう。
ローカルや日本人などの区別なく、あくまで会社の目標を達成するために各々に何が必要か、公平かつ熱意を持って伝えるようにしています。メッセージが一貫していれば、自然とローカル、ノンローカルに関わらず関係はできてくると思います。
駐在と現地採用で感じる違い

インタビュアー:Sさんは駐在のご経験もありますが、駐在と現地採用で感じる違いはありますか?
Sさん:駐在時代はいろいろな面で恵まれていました。ですが現地採用になったことで、駐在時は自分の本当の実力を勘違いしていたように感じています。
現地採用では何の後ろ盾もなく、自分の経験と実力だけが頼りです。また、日本帰任という辞令が基本的にはないので、自分のキャリアをどうしたいのか主観的に描くことができる点は現地採用のメリットです。
なお、駐在か現地採用かと考えた時点で「日本人社会に限定した考え」になってしまうと思います。
グローバル人材になるためには駐在か現地採用かにかかわらず、きちんと結果を残し、現地の人間やほかの国から来ている同じ世代の人達と競争していくことです。その意識があれば、現地採用か否かはあまり気にすることはないと思います。
また、現地採用の方が自分の市場価値が給与にダイレクトに反映されるので、自分がどのくらいの位置にいるのかがわかりやすいです。
これからシンガポールで働く人へのメッセージ

インタビュアー:最後にこれからシンガポールで働く方や、転職を考えている方へのメッセージをお願いします。
Sさん:海外での就職・転職を考えた場合、シンガポールは「入門編」だと思います。ですので、シンガポールでの就職・転職が最終的な目的ではなくスタートラインと思い、そこから自分がどのようなキャリアを積んでいきたいのか考えることが重要です。
そしてもし仕事が決まったら、その仕事に満足できるかどうかにかかわらず、きちんと全力でコミットすることが大切です。「一生でこの時期が一番頑張った」「真剣に働いた」と後から言えるように頑張ってみてください。
自分の仕事の適性は自分ではわからないことが多いです。また、新しい自分の適性に、意外なところで気付くかもしれません。ただし、それは仕事に対して全力でコミットした人だけが得られるご褒美です。そのうえでみなさんも新しいキャリアを異国の地で築けることを願っています。
大切なのは駐在か現地採用かではない
今回取材をして印象に残ったのは、多くの方が「雇用形態(駐在・現地採用)」に目を向けがちですが、本当に大切なのは「働き方」であり、それにより仕事への充実度や満足度、成果が出るというところです。
「後ろ盾がない現地採用は、自分のスキル・頑張りが直接評価につながる」という意見は筆者自身も実感しており、改めて「自分は仕事にコミットできているか」と考えさせられました。
また、帰任がない現地採用という働き方は、自分でキャリアを描きやすいという話も心に落ちました。将来の目標設定と、その過程で悔いのない仕事をしたい、と気を引き締めるきっかけとなった今回の取材でした。
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ライター紹介

Yuka Kobayashi / Good Job Creations
東京の大学に進学後、約3年半日系IT企業でのコンサルティング営業を経験。学生時代の留学経験をきっかけに海外転職の道に・・2015年冬に来星し、現在は人材紹介会社にて求職者向けの転職支援をしています♪常にポジティブマインド!皆さんのキャリアの後押しができるよう日々奮闘中です!